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『英文標準問題精講』に取り組むための準備・前提条件

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これから解説していく、『英文標準問題精講』の英文解釈に取り組んでいくためには、前提として、次のことを確認して下さい。

  • 基本5文型の基本的な理解があること
  • 「句」や「節」の違い、各品詞の意味や用法、文法用語や文法の基礎がわかること

この参考書を学習していく前に、『入門英文解釈の技術70』、『基礎英文解釈の技術100』をそれぞれ終わらせておくことも推奨します。

 

また、今まで英文解釈を行ったことがない方でも、原文と構造分析後の英文を見比べて、構造分析を再現してみるのも良いかもしれません。複雑な文になればなるほど、語句のまとまりの区別がつかなかったり、カンマなどが増え、一文が長くなり構造が見えづらくなったりします。まずは、句ごとにスラッシュ(/)を入れ、まとまりを明確にしていき、副詞・副詞句・副詞節は文型には含まれないので、( )を付け括りだすことで、文の骨格が見え、複雑な文章もシンプルに見えてきます。

構造分析の役割と「直訳」と「意訳」の違い

構造分析は、英語を文法的に分析して、日本語の文法の語順に置き換えるために行う作業です。日本語の語順に置き換えられたものは、日本語として意味の通じる文章になるとは限りません。通じない意味がある部分だけを、適宜、最低限通じる日本語に直したものを「直訳」と言います。これは、Google翻訳など、機械を使って訳したものとほとんど変わりません。つまり、機械的に論理的に言語を処理する方法を学ぶのが直訳を学ぶことになります。

一方で、「意訳」とは、普段使っている日本語の表現に近づけながら訳すことを言います。直訳された文章は、実用的ではありません。日常会話や文体、文脈に応じて、自然な表現に修正し、日本語として違和感のない文章や、内容や意味が伝わりやすい文章に直していく必要があります。しかし、初めから「意訳」のみを行うことには、注意が必要です。なぜならば、元のテキストの語彙を無視して、”どうとでも” 訳すことができてしまうからです。だからこそ、英語と日本語の違いをよく理解し、正確に訳していくためには、

 

構造分析 → 直訳 → 意訳

 

のプロセスを欠かすことができません。

※ 『英文標準問題精講』に取り組む前に、『入門英文解釈の技術70』『基礎英文解釈の技術100』または『基礎英文問題精講』など、またはそれに準拠した英文解釈の参考書を終わらせておくことをお勧めします。

この解説を読み進めていくための共通認識事項

/ は、語句のまとまりを区切るための記号。前置詞の前や文型の要素の前後に入れる。

  • 構造分析では、[  ] がメインの文型となる句や節、(  ) が文型の要素とならない句を表す。構造は、入れ子構造。
  • 助動詞・動詞・動詞句は、印をつけない。
  • 極力、句動詞は用いずに、文型に落としこむ。
  • 分詞は、形容詞、形容詞句扱い。分詞構文は、副詞句。
  • 進行形と受動態は、第2文型とみなす。現在分詞・過去分詞は、形容詞扱い。

以上のことを共通認識事項とします。特に、進行形と受動態を第2文型とみなすことは、他の参考書などの解説とは大きく異なります。しかし、そうみなすことで、複雑だった現在分詞や過去分詞 の語句の見分け(動名詞か現在分詞か、受動態か過去分詞か)がシンプルに見えるようになります。

また、訳しづらい複雑な構文や倒置などは、適宜、元の文に置き換えて構造分析することで、シンプルに見えることもあります。特殊構文など、5文型に落とし込めないものもあるので、それは、5文型の例外として扱っていきます。

ミルトンの『Paradise Lost(失楽園)』からの引用文

『英文標準問題精講』の巻頭には、ミルトンの『失楽園』から次のような引用があります。

Long is the way

And hard, that out of Hell leads up to Light.

Gates of adamant,

Barring us out, prohibit all ingress.

一般的に、英語のポップスの歌詞やラップのリリックスなど、音楽の歌詞などは詩の形態に近く、文法的ではないと言われていますが、それは間違いです。この文章も、一見すると、文法的ではないように見えて、訳しづらく感じるかもしれません。しかし、実はこの文章もしっかりと文法に即して書かれていて、語調やリズムをとったり、ある語句を強調させるために倒置がとられたりしています。

まず、ピリオドが2つしかないことから、全体が2文であることがわかります。したがって、1行目と2行目は、一つのセンテンスになります。

Long is the way and hard, that out of Hell leads up to Light.

また、文法的に見ると、and hard は、形容詞の並列なので、他の形容詞を探すと、long しかないので、本来は、long and hard となるとわかります。このことから、long が文頭にきて強調され、主語と動詞の倒置が起きていることがわかるので、

The way is long and hard, / that / out of Hell / leads up / to Light.

となります。あとは、後半部分です。that は、倒置のために置かれた接続詞なので、本来 out of hell が入る場所を探すと、The way out of the Hell とすれば、意味が繋がりそうです。

The way out of Hell is long and hard, leads up to Light.

このままでは、1つの英文に、述語動詞(メインの動詞)が2つあることになるので、関係代名詞を使ってどちらかを関係代名詞節にします。

The way out of Hell which leads up to Light is long and hard.

もしくは、等位接続詞 and を使い、2文に分ければ、

The way out of Hell leads up to Light, and it is long and hard.

となります。

 

2文目は、barring us out の部分が分詞構文なので、読みやすく書き換えると、

Barring us out, gates of adamant prohibit all ingress.

となります。

The way out of Hell which leads up to Light is long and hard.

Barring us out, gates of adamant prohibit all ingress.

文法的に分析し、語順を書き換えるだけでも、複雑な英文も、読みやすくなってきます。ここからさらに、それぞれの文の文型を確認し、構造分析などをして日本語に直訳していくことができます。

英文解釈を通して学習できること

多くの英語学習者は、フレーズと意訳を照らしあわせてボキャブラリーや使える表現を増やしていく学習をすることが多いかもしれません。確かに、英会話や実用的な英語を使えるようになるためには、それは最も速く成果が得られるでしょう。しかし、ワンパターンの表現や、決まり文句を繰り返しているだけでは、表現の数だけ記憶を増やしていくしかありません。また、細かい表現の違いや区別もつかなくなり、英語の学習レベルはある一定のところで止まってしまいます。

受験英語やTOEIC・TOEFLなどの検定試験に挑戦しているが、なかなか点数が上がらず悩んでいる方、今まで語彙力や感覚だけで何となく点数が取れてきた方、何度も英文法の学習をやめてしまった方、より豊かな英語表現を身に着けたい方など、様々な方々にとって英文解釈は、多くの理解を与えてくれるでしょう。

次回から、『英文標準問題精講』の1つ目の文章の解説を書いていきます。

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コメント

  1. 豊姫 より:

    世間では、基礎英文問題精講は例題60までをやればいいと言われていますが、例題60までをやった後に英文標準問題精講をやるのはダメですよね。

    1. reverie より:

      豊姫さん

      コメントをくださり、ありがとうございます!
      学生の方だという前提で、お返事いたします。

      『基礎英文問題精講』の場合は、例題60までに、受験で必要な構文や知識が詰まっていて、『基礎英文問題精講Brush‐Up Test 60』という演習用の問題集も発売されているので、レベル的にも内容的にも、多くの受験生にとって扱いやすい内容になっているので、そのように言われています。

      一方で、『英文標準問題精講』で扱われている英文も、多くの難関市立や国公立の大学入試で実際に出題されたものばかりです。

      『基礎英文問題精講』の例題60をある程度しっかりと学習したのであれば、『英文標準問題精講』に進むのも良いかと思います。質の良い文章を深く読むことで得られることも多いと思うので、是非、チャレンジしてみて下さい!

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