多くの学校では、具体的な一つの問題の解き方や、パターン化された ”やり方” は教えてくれても、もっと抽象的な「学び方」を教えてくれるところはほとんどありません。たとえ素晴らしい先生や、教え方が分かりやすい先生に出会ったところで、その指導を受ける学ぶ側が常に同じ「学び方」しかできないのであれば、理解力はほとんど成長しないまま、学習内容だけがどんどん難しくなっていくでしょう。その学習の限界をつくっているのは、環境ではなく、先生の指導スキルでもなく、学ぶ生徒自身に他なりません。

 

有名な格言に、

“Give a man a fish and you feed him for a day; show him how to catch fish and you feed him for a lifetime”

というものがあります。

「魚を一匹やれば1日食いつなぐが、魚のとり方を教えてやれば一生食いはぐれることはない」

という意味の言葉です。

学習において、「魚を与える」ということは、その「数学の問題一つ一つの解法」や「個々の英単語や英文の意味」、「現代文の読解」などであり、「魚のとり方」というのはそれぞれ、「問題文から得た情報からどのように解法までのプロセスを立てていけばいいか」ということや、「文脈や語源から単語の意味を推測する方法や構造分析」、「背景知識やテーマに関する語彙力」などにあたります。

一つひとつの問題が解けると、気分が良く、何かが達成できている気持ちになりますが、問われ方が変わったり、あまり見たことのないタイプの問題が出題されたりすると、途端にどのように考えていき、どこから手をつけたらよいのかわからず混乱し、ただ時間だけが過ぎていくことも少なくありません。

少し前までは、試験で出題される問題の内容を理解していなくても、多くの情報を短時間で処理しする能力に長けている生徒であれば、点数は採ることができました。しかし、最近では出題傾向もかわりつつあり、より対応力や思考力が問われる問題が増加する傾向にあります。

そして、このような学習のインプットやアウトプットは、学生を終え、社会に出てからも、常に必要とされる能力です。

 

最近、巷では、語学やプログラミング、文章の指導など大人の習い事が増えていますが、なぜでしょうか。

そして、そういったスクールに通った結果、しっかりとそのスキルを身に付けている人はどのくらいいるのでしょうか。

多くの大人も同様に、当然のように詰め込み教育を受けてきた結果、自ら学ぶということができずにいる人が少なくありません。

 

では、「学び方」を変えるには、どうすればいいのか。

 

その方法を、これから全10回の記事で、お伝えしていきます。

 

第1回 思考を抽象化する

第2回 目的意識をもつ

第3回  「なぜ?」と問い続ける

第4回 学校の勉強に意味はあるのか

第5回  ノートはとる必要はそもそもない

第6回  言葉を自分のものにする

第7回  経験はあてにならない

第8回  思い込み、先入観、固定観念をなくす

第9回 結果から学び、結果にこだわらない

第10回 「学び」は一生続く